はじめに
Googleアナリティクス4(GA4)は、Googleが提供する最新のウェブ解析ツールです。従来のユニバーサルアナリティクス(UA)に比べ、さまざまな進化を遂げています。本日は、GA4の概要と導入方法、活用のポイントについて詳しくご紹介します。
GA4とは
GA4は、ウェブサイトやアプリのユーザー行動を詳細に分析できるツールです。UA時代と比較して、大きく進化した点があります。
イベントベースの計測
GA4ではページビューだけでなく、さまざまな「イベント」を計測できます。例えばスクロール、動画の再生、ファイルのダウンロードなど、ユーザーの行動を細かく捉えることができます。
イベントを設定する際は、カテゴリやアクション、ラベルなどのパラメータを使って細分化できます。適切にイベントを設計することで、ユーザー行動をより深く理解できるはずです。
クロスデバイス・クロスプラットフォーム分析
GA4では、ウェブサイトとアプリの計測データを統合して分析できます。つまり、ユーザーがデバイスを横断して行動した場合でも、同一ユーザーとして認識されるのです。
例えば、ユーザーがスマートフォンのアプリで商品を見て、後日パソコンのウェブサイトで購入に至るようなケースでも、ジャーニー全体を把握できます。マーケターにとって非常に有益なデータといえるでしょう。
機械学習による予測
GA4は機械学習を搭載しており、過去のデータからユーザーの将来の行動を予測できます。例えば、購入の可能性が高いユーザーや離脱しそうなユーザーを特定することができます。
この機能を活用すれば、適切なタイミングで施策を打つことができ、マーケティングの効率化が期待できます。ただし、予測の精度は現時点では完全ではありませんので、注意が必要です。
GA4の導入
GA4は2023年7月1日以降、UAに置き換わるツールとなります。早期の導入が推奨されています。
導入の手順
GA4の導入手順は以下の通りです。
- Googleアナリティクスにログインし、新しいアカウントを作成する
- GA4プロパティを作成し、データストリームを設定する(ウェブ/アプリ)
- トラッキングコードをウェブサイト/アプリに設置する
トラッキングコードの設置は、Googleタグマネージャーを使う方法と、HTMLタグを直接設置する方法があります。GTMを使う方が設定が簡単なので、おすすめです。
コンバージョンの設定
GA4では、重要なゴール達成を「コンバージョン」として設定します。コンバージョンイベントを登録することで、その達成状況を詳細に分析できます。
一般的なコンバージョンイベントとしては、電子商取引の購入、リードの獲得、特定のページの訪問などが挙げられます。目的に応じて適切に設定しましょう。
UAとの並行運用
GA4導入後は、UAとの並行運用が推奨されています。GAのデータには履歴が残らないため、UAからGA4へのデータ移行はできません。そのため、移行期間中はUAでの計測を継続すべきです。
並行運用期間は、最低でも3か月は確保することをおすすめします。新しい指標に慣れるためにも、十分な期間を設けましょう。
GA4の活用ポイント
GA4を最大限に活用するためのポイントをご紹介します。
ユーザーインサイトの深掘り
GA4の大きな強みは、ユーザーの行動を細かく捉えられる点です。様々なイベントを設定し、ユーザーにとって価値のあるインサイト(示唆)を導き出しましょう。
例えば、ユーザーがサイト内でどのようなジャーニーを描いているか、特定のボタンやリンクがどの程度クリックされているか、動画がどれくらい視聴されているかなど、多角的な視点から分析できます。
予測機能の活用
GA4の機械学習による予測機能を活用することで、マーケティング施策の精度向上が期待できます。例えば、次のような活用が考えられます。
- 購入の可能性が高いユーザーにリマインダー配信
- 離脱しそうなユーザーに特別なオファー
- 収益予測を参考にして広告出稿量を最適化
ただし、予測の精度は現時点では完全とは言えません。様々な予測値を参考にしつつ、最終判断は人間が行うことが大切です。
BigQueryとの連携
GA4のデータをBigQueryにエクスポートすれば、より高度な分析が可能になります。BigQueryでは以下のようなことができます。
- 複数のデータセットを結合して分析する
- カスタムSQL文を使ってオリジナルの計算を行う
- ダッシュボードを作成してデータを可視化する
GA4のレポーティング機能にも優れていますが、BigQueryを活用すれば分析の幅が一層広がります。
まとめ
GA4は、ウェブサイトやアプリの分析に優れた機能を備えています。イベントベースの計測、クロスデバイス分析、機械学習による予測など、多くのメリットがあります。導入には手間がかかりますが、適切な設定とスキルの習得によって、確実にマーケティングを強化できるはずです。
ユーザー行動を正確に捉え、深いインサイトを見出すためにも、GA4の活用は不可欠です。本記事を参考に、GA4の導入と運用にぜひチャレンジしてください。
よくある質問
GA4とUAの違いは何ですか?
GA4ではページビューだけでなく様々なイベントを計測できる一方、UAはページビューを中心とした計測が主でした。また、GA4ではウェブサイトとアプリの計測データを統合して分析できるクロスデバイス・クロスプラットフォーム分析が可能です。機械学習による予測機能も搭載されています。
GA4の導入手順を教えてください。
GA4アカウントの作成、データストリームの設定、トラッキングコードの設置、コンバージョンの設定という流れで導入します。トラッキングコードの設置にはGoogleタグマネージャーを使うと簡単です。UAとの並行運用が推奨されており、最低3か月の期間を確保することをおすすめします。
GA4の活用ポイントは何ですか?
ユーザーの詳細な行動分析や機械学習による予測機能の活用、BigQueryとの連携による高度な分析が考えられます。ユーザー理解を深め、マーケティング施策の精度向上につなげることができます。
GA4の予測機能は完璧ですか?
現時点では予測の精度が完全ではありません。様々な予測値を参考にしつつ、最終的な判断は人間が行うことが大切です。予測機能を積極的に活用しつつ、その限界も意識する必要があります。
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